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BMW イセッタ

戦後、敗戦国となったイタリア、ドイツ、日本の工業は著しく制限されていた。兵器に転用できる恐れのある工業製品は米英から厳しく規制されていたのである。
だが、生活に必要なオートバイや自動車(当時は自動車が高価であったためにオートバイの需要は少なくなかった)が徐々に生産されるようになっていく。
当時、安価で荷物の運べる輸送手段の主流はサイドカーをつけたオートバイやトライク(三輪車)であったが、次第に雨風がしのげる乗用車に移行していく。

 

イタリアの冷蔵庫メーカーであったイソ社が前から乗り降りするバブルカー(当時のキャンピングスクーターの通称)を作ったのはそんな時代であったが、1953年にBMWはイソ社よりパテントと工場設備を譲り受けて2サイクル単気筒を搭載したオート三輪であったイソ イセッタを4輪に改修。BMWの単気筒バイクR25のエンジンを搭載し、「BMWイセッタ」として1955年に発売する。

 

その特徴であるハンドル、コンポーネント一式がドアごと前に開くと言う奇抜なアイデアと愛らしいフォルムはイソ社のものそのままにDas Rollende Ei(ダス ロレンデ アイ……転がる卵の意)の愛称と共に1962年まで約16万台が生産される。
当時危機的な財政状態にあったBMWを窮地から救った奇跡の小型車として伝説になった車である。
(写真提供: 秋本伸一郎氏)

 

BMW Isetta 250 ●BASIC SPECIFICATION
全長 2,285mm
全幅 1,380mm
全高 1,340mm
ホイールベース NA.
トレッド前/後 NA.
最低地上高(空車時) NA.
車両重量 360kg
最小回転半径 NA.
燃費(10.15モード) NA.
エンジン形式 4サイクルガソリン単気筒OHV
排気量 247cc
ボア×ストローク 68.0×68.0mm
圧縮比 6.5
最高出力(ネット) 12ps/5200rpm
最大トルク(ネット) NA.
変速機 4速MT
タイヤサイズ 4.80-10
フューエルタンク容量 13L

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