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KTM 690Duke (2011年モデル)
「オフロードバイクのポルシェ」と呼ばれるメーカーがある。
オーストリアのKTMがそれだ。
その由来は古く、設立は1934年にさかのぼる。元々ラジエターを作っていた下請工場であったKTMは当初創始者トゥルンケンポルツ氏の名前と始まりの地となるマッティグホーフェンの名を入れて「Kraftfahrzeug Trunkenpolz Mattighofen(クラフトファールツォイク・トゥルンケンポルツ・マッティグホーフェン)」の頭文字からKTMと呼んでいたが、1955年に実業家のエルンスト・クロノライフ氏が出資して本格的なオートバイメーカーとして独立したときに社名を「Kronreif & Trunkenpolz Mattighofen(クロノライフ&トゥルンケンポルツ・マッティグホーフェン)」の略のKTMと改めた。
以来オフロードバイク専門メーカーとして孤高を貫いてきたのだが、90年代に入るとオンロードバイクの開発に着手。94年に初めてのオンロードバイクとなる620Dukeを発売した。
これはKTMのLC4エンジン(この名称は単に水冷4サイクルを表しているだけなので特定のエンジンの名称ではないことに注意)を既存のシャシーに搭載し、オンロードの足回りを与えた、所謂スーパーモタードであった。
それから四半世紀。SOHC608ccのキックスタートオンリー、キャブ仕様の荒々しいレーシングエンジンだったLC4は、SOHC660ccの完全新設計水冷エンジンとなり、スロットルは電子制御スロットルを備えたスマートなエンジンに生まれ変わった。車体はスーパーモタードのようなデザインではあるが、ディメンションはオンロードバイクのそれで非常に扱いやすい。ただし背は高いので若干慣れが必要なバイクではあった。
KTMはこのモデルの刷新版を12年型として投入しているが、扱いやすいエンジン特性はそのままにオンロードバイクらしいデザインを与えたモデルとなり、大成功を納めている。
そういう意味で旧世代のオフロードルックを有した600Dukeシリーズ最後のモデルともいえなくない。
縦目2灯のストリートファイター風のデザインは今でもファンが多い。
(写真は管理人の所有車)
全長 | 2,122mm |
全幅 | 830mm |
全高 | 1,243mm |
ホイールベース | 1,472±15mm |
最低地上高 | NA |
シート高 | 865mm |
キャスター/トレール | NA |
乾燥重量 | 約148.5kg(燃料含まず) |
エンジン形式 | 水冷4ストローク・4バルブOHC単気筒 |
潤滑方式 | ウェットサンプ |
排気量 | 654cc |
ボア×ストローク | 102×80mm |
圧縮比 | 12.6:1 |
最高出力 | 66ps(48kW)/7,500rpm |
最大トルク | 67Nm/5,500rpm |
変速機 | 常時噛合式リターン6速 |
タイヤサイズ | F:120/70R 17 R:160/60R 17 |
フューエルタンク容量 | 13.5L/2.5Lリザーブ |