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DUCATI SS900
初代SS(スーペル・スポルト)といえば1972年のイモラ200で歴史的な勝利を得たレーサーのレプリカとして名高い。後の75年に900SS、79年のMHR(マイク・ヘイルウッド・レプリカ)を生み出す土壌となったモデルでもある。
80年代よりそれまでのベベルギア(傘歯車)駆動であったカムシャフトをコグドベルト(歯付きベルト)駆動に改めたパンタ系でレースを戦い始めたドゥカティからSSの名は消滅するが、89年にこの歴史的な車名は劇的な復活を遂げることとなる。
以来高い人気を誇る900SSは91年にフルモデルチェンジを行った後、97年まで生産された。(98年のFEモデルを除く)
乗り手を選ぶ水冷スーパーバイク系と異なり、万人にライディングの深みへ誘う門戸を開いていた900SSだったが、既にヨーロッパを席巻していた環境問題や7年間のデザイン的な停滞は如何ともしがたく、これを打ち破るべく98年にリリースされたのが「SS900」である。
それまでのミクニ製38φ負圧キャブレターをマレリ製の43φフューエルインジェクションとし、燃焼の高効率化と排気ガスの清浄化を実現。インジェクション化によって負担の増大する電気系は350Wから520Wへと出力を上げている。
フレームは新設計となるが、主な変更点はステアリングヘッド周りとシートレールに集約され、SS本来のしなやかさや剛性感などは失われることがなかった。
エクステリアはESレーサー「スーパーモノ」を手がけたピエール・テルブランチの手になるもので、アグレッシブながらエルゴノミックというべきもの。
旧900SSより洗練されたポジションのおかげかハンドリングも着実に進化しており、900SSの美点である軽さはさらに磨きがかかって、まさにミズスマシの様に自由自在に峠を駆け抜けることができるのだ。
(写真提供:バナOKA氏)
全長 | 2,030mm |
全幅 | N.A. |
全高 | 1,100mm |
ホイールベース | 1,395mm |
最低地上高 | N.A. |
シート高 | 815mm |
キャスター/トレール | 24°/N.A. |
乾燥重量 | 188kg |
エンジン形式 | 空冷4サイクルガソリンOHC2気筒デスモドローミック2バルブ |
潤滑方式 | ウェットサンプ |
排気量 | 904.1cc |
ボア×ストローク | 92.0×68.0mm |
圧縮比 | 9.2 |
最高出力 | 80hp /7,500rpm |
最大トルク | 8.0kg-m /6,500rpm |
変速機 | 常時噛合式リターン6速 |
タイヤサイズ | F:120/70ZR17 R:170/60ZR17 |
フューエルタンク容量 | 16L |