キャブレターとは何か / キャブレターの種類と構造 / メンテナンスについて / セッティングとは / エンジンを掛ける前に / セッティングの実践 / 用語集

バイスターター

エンジン冷間時にはエンジンオイルも硬く、またエンジン各部品のクリアランス(隙間)も不正確な為(金属は熱膨張するので、決められた温度で最適なクリアランスとなる様に設計されている)、安定した性能を発揮する事ができない。

また、ガソリンも冷間時は、熱による気化が期待できないために吸入されたガソリン粒子が大きい状態にあり(燃焼室でまばらになる)、着火のチャンスが小さくなるのと、不完全燃焼が起こりやすく(馬力が出ない)なっている。

その為に一時的に濃い混合気(ガソリン粒子の数の多いガス)を送ってエンジンストールしないようにする必要がある。冷間時のために設けられた装置を総じてスターターと呼ぶ。スターターには2種類あり、空気を減じて燃調を濃くするチョーク、始動専用の燃料路(バイパス)を設けて燃調を濃くするバイスターターがある。

パイロットエアジェット

パイロットジェットに混入させるエアの量を計量する。このパイロットエアジェットをねじ込み式として、流量を変えられるようにしたものがエアスクリューである。

パイロットジェット

ジェットのひとつで、アイドリングから極低速域の燃料を計量する。

パイロットスクリュー

パイロットジェットとエアスクリュー(パイロットエアジェット)で作られた混合気を計量してパイロットポートへ送り出すネジの事。

バックファイヤー

キャブレター側で不正燃焼が起こる事。通常燃調の薄い状態で発生する。かなり派手に火を吹くので、くれぐれも運転中にキャブレターのメーンボアを覗き込まないように。

パワーフィルター

エアクリーナーのひとつ。純正のエアクリーナーよりも低抵抗の社外フィルターを一般的にこう呼ぶ。四輪車では「パワーフロー」とも。素材は難燃性のスポンジ、不織布など。たいていは洗浄しての再利用ができる。

張りつき

エンジンの吸入負圧によってスロットルバルブがキャブレターボディー内壁に押しつけられて動かなくなる事。ピストンバルブ型キャブレターで顕著。一部レーシングキャブレターではスロットルバルブにベアリングを設けてこの張りつきを回避するものもある。また、スロットルバルブが異物を噛み込んで動かなくなる事も張りつきと呼んでいる。

バルブシート

キャブレターにおいてはフロートレベルを維持するニードルバルブと対になったガソリン通路の出口をなすパーツの事。改造したエンジンにはまれにバルブシート径が足りなくなって出力が上がらなくなる現象が起こるので、レーシングキャブレターにはセッティングバーツとして用意されるものもある。

ハンチング

燃焼不良のひとつ。多くは燃調の薄い時に現れる。不安定な回転のばらつきや、ギクシャクしたしゃくるような回り方をいう。
ただし、2サイクルエンジンでは濃い状態でも同じ症状が現れるため注意が必要。

ピストンバルブ

上下に可動するスロットルバルブの事。上下に滑るように動くさまからスライドバルブとも呼ばれる。おもにメーン系の空気を計量する。

吹き返し

未燃焼ガソリンがキャブレター側へ戻ってくる現象の事。

プラグチョップ

点火プラグの焼け色を見て燃調を判断する事。一般的には濃いと黒くカブり、薄いと白く焼ける。

フラットバルブキャブレター

旧来、可変ベンチュリー型キャブレターのスライドバルブは円柱形であった。高出力を求めてメーンボアを拡大するともちろんスライドバルブも径を拡大しなくてはならない。ところでエンジンの吸入負圧がもっとも大きくかかるのはスライドバルブのエンジン側の端だが、スライドバルブ径を拡大するという事は最も圧を高めたいメーンノズルをスライドバルブの縁から遠ざけてしまう事を意味する。そこで生まれたのが円柱形ではなく平べったい角柱形のスロットルバルブである。

 

CRキャブの筒型バルブのスムーズボアに見られるように、バルブが持ち上がった状態を考えると丸形のバルブは、全閉時の形状(Jet Blockと呼びます)から、全開時の"天井”をボアにあわせてスムーズにすることが不可能であり、薄くすることでこのデットボリュームを最小にすることが出来るメリットもある。

ブリーザー(パイプ)

キャブレターにおいてはオーバーフローした時に燃料をキャブレターの外へ排出する為のパイプの事。

プレイグニッション

エンジンの異常燃焼のひとつ。点火プラグの着火を待たずに過熱した混合気が自然着火する現象の事。混合気を過熱する熱源には、過熱したエキゾーストバルブ、熱を帯びた点火プラグ先端や、堆積したカーボンの過熱部分などが考えられる。

フロート

フロートチャンバー内のガソリン量(フロートレベル)を一定に保つ為に設けられた浮きの事。水洗便所のタンクにある浮きを連想するとわかりやすいかも。(……)

フロートチャンバー

キャブレターにガソリンを貯めておく小さな部屋の事。古くはキャブレターボディーと分れていた。(アマルGPなど)

フロートバルブ

ニードルバルブとバルブシートをセットにしてフロートバルブと呼ぶ。フロートレベルを一定に保つ為のバルブである。

フロートレベル

キャブレターに貯められたガソリンの量の事(正確には油面の高さ)。キャブレターに貯められたガソリンは大気圧がかかる事でメーンボア内に吸い出されていく。ガソリンが減って油面が下がると大気圧も変わるため、吸い出されるガソリンの量も変わってしまうので、一定の燃調で運転する為にはフロートレベルも一定である必要がある。

油面の表し方は、キャブレターを水平から約45度傾けた状態で表すゲージ油面と装着状態で表す実油面がある。
いずれもメインボアの下内壁からの距離となる。(要は、井戸が深いか、浅いかで汲む労力が変わる)

ベルヌーイの法則

スイスの物理学者ベルヌーイ[Daniel Bernoulli 1700-1782]によって提唱された法則。「流体の速度が大きくなると圧力が低くなる」という法則で、流体力学における基本法則のひとつ。

ベンチュリー

絞り弁の事。メーンボアの事をベンチュリーと呼ぶ事もある。

ボコ付き

燃調が濃い時に発生するエンジンの加速不良のひとつ。症状は息付きに似るが、「ボコボコ」という特徴のあるフィーリングがある。

ホリゾンタルキャブレター

メーンボアが水平(または水平に近い角度)で用いられるキャブレターの事。ダウンドラフトキャブレターが生まれてから作られた言葉である。

 

マニホールド

キャブレターをエンジンや、エアクリーナーボックスにつなぐ為の筒状の部品の事。多くはゴムや樹脂製で、経年劣化が起こりやすい。キャブレターの取り外しにあたっては亀裂などが入っていないかどうか確認の事。

ミキシングボディー

空気と燃料を混ぜるキャブレターの胴体部分の事。別名メーンボディー。

メーンエアジェット 

ニードルジェットに混入する空気の量を計量する。ただし、プライマリー式メーン系を持つキャブレターでは効きが微小な為、通常は交換されない。

メーンジェット

全開域における燃料の計量を行う。一般にフロートチャンバー下部に取り付けられる。

メーンボア

キャブレターの主燃料路(メーン系)に設けられた管。通常、キャブレターの呼び径はここの直径を指す。
例えば37φと呼ばれるキャブレターはメーンボア直径の一番狭い部分が37mmである事が多い。
キャブによってはダイキャスト抜きテーパーなどで通常のノギスではかれる部分がボアよりも大きい場合が多いため、実測値と呼び径が食い違う事もある。

 

リターンスプリング

スロットルを戻すとスロットルバルブも閉じるようにバルブに張力を掛けるバネの事。02年現在、日本の法規では公道を走るすべての車両にリターンスプリングが取り付けられなければならないと規定されている。

リーン

燃調が薄い事をリーン[Lean:痩せた、貧弱な、の意]と呼ぶ。逆はリッチ。

リーンバーンエンジン

理論空燃比よりもさらに薄い状態(概ね1:17前後)でも稼動するガソリン機関の事。燃焼状態のきめこまかなコントロールが必要なため、キャブレターで実現する事は難しいとされる。

リッチ

燃調が濃い事をリッチ[Rich:豊かな、贅沢な、の意]と呼ぶ。逆はリーン。

レスポンス

スロットル操作に対するエンジンの応答性の事。スロットル操作にすばやく反応するものを俗に「リニアなレスポンス」などという。反対に鈍いものは「ダル」などという。

 
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