キャブレターとは何か / キャブレターの種類と構造 / メンテナンスについて / セッティングとは / エンジンを掛ける前に / セッティングの実践 / 用語集 | ||||
エンジンを掛ける前に |
||||
「さぁ! 始めよう!!」と意気込む前にまずやらなくてはならないことがあります。
それは、
1. 完全な整備
です。
それからキャブレターの部品に手をつける前に必ず最初のセッティングをメモしておきましょう。
なお、固定ベンチュリー型のようにJNを持たないキャブレターもありますが、MJやSJ(メーカーによってはパイロットジェット(PJ)とも呼称されています)はある筈なので、とにかくセッティングパーツは現状を書き出しておきます。 |
||||
キャブレターセッティング時にはガソリンの流出がつきものです。 |
||||
セッティングの手順 |
||||
元通り組み立てたら、エンジンを始動します。 まずは低回転域です。 1番最初はPSです。まずはアイドルスクリュー(スロットルストップスクリュー)を回してアイドリングを2,000rpmまで上げます。その状態でPSを回してみます。複数キャブレターがある場合は各キャブレターの設定を揃えましょう。PSを1回転締めるのなら全部のキャブレターのPSを1回転締めるという事です。 PSはおよそ1回転戻しから2回転3/4程度が守備範囲ですので、この範囲を超えてしまう様ならPJの出番です。 PSは戻していくと濃く、締めると薄くなりますので、緩めてアイドル回転が上がる場合は現状で薄いという事です。もし2回転3/4を超えてもアイドルが上がりそうなら、PJをひとつ大きな番手に付け替えてもう一度PSを調整します。 そうやっていくと、いずれ「この辺かな?」というセッティングが出るはずです。 引き続き低速のプリセッティングです。
何事もなく吹ける場合はスローがやや濃いと判断するべきで、PSの回転数をもう一度見直します。
ところで筆者は以前、濃い混合気を少量吐出することと薄い混合気を大量に吐出することはトータルで見たときに燃料の絶対量は同じになるならどちらも大差がないと考えていましたが、これは大いに間違いで、正しいバランスの混合気を正確な分量だけ吐出すると言うことが唯一の正解であるということを身をもって知ることになりました。 横着は禁物ということですね。(苦笑 |
||||
|
||||
アクセルペダルのクルマはなかなか目視が難しいですが、スロットルグリップの単車は比較的簡単です。スロットルホルダーとグリップにマーキングしておきましょう。 開度はあくまで目安なので、大体で構いません。
さて、以上のプリセッティングをクリアして初めて実走を行います。 |
||||
表を見ていただければお分かりのように実は各パーツは非常に広い範囲で被っています。
そうして低開度から開度を定めて対応するパーツを調整していきますが、加速ポンプを備えるキャブレターには注意が必要です。
確かめる意味でも加速ポンプを指で強制的に動きを止めた状態を試し、結果難なく回転上昇するようであればポンプを殺しても大丈夫です。
また、個別の開度でちょうどよくても、全体を見渡したときにバランスが崩れてしまうということもありますので、個別の開度で一通りのセッティングが出たなら全体のバランスが崩れていないかチェックしましょう。
余談ながら筆者の1JKは以前、全開にすると薄い症状が出たのですが、MJやJNテーパー、段数を変更しても思うように改善できなかった時期がありました。
冒頭で説明した様にキャブレターはエンジンの吸入負圧を利用しますので、スロットル開度と実際のエンジン回転数にはズレがあります。 アクセルを開けてもエンジン回転が上がらないということもある、と言うことです。例えば少排気量車で急な坂を高いギアで上ろうとするようなときを想像するとわかりやすいかもしれません。(ちなみにインジェクションでもこのズレは存在します) |
||||
キャブレターとは何か / キャブレターの種類と構造 / メンテナンスについて / セッティングとは / エンジンを掛ける前に / セッティングの実践 / 用語集 |